世界で最も使用されているであろう記数法は『十進法』

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月24日(月)

おはようございます。
鼻の中が切れてカサブタができて、鼻クソが詰まっている感じで気持ちが悪いので、そのカサブタを取ったら、また切れてカサブタができて……という鼻クソ無限地獄に落ちた西野です。

さて、今日はゴッリゴリにエンタメの話です。
まずは、コチラをご覧ください↓

https://gamp.ameblo.jp/nishino-akihi…/entry-12392720861.html

『えんとつ町』はレター達が人々を守る為に作った巨大な密室なんですね。
外部との交流を避ける為に、煙で空を塞いで、『外』という概念を無くしちゃったわけです。

少し遠回りになるけど我慢して聞いてください

突然、話は変わりますが、現在世界で最も使用されているであろう記数法は『十進法』(10まで数えたら、次に繰り上がる)です。
僕らの指が10本なので、モノを数える時は『10』で区切るのが何かと都合が良かったわけですね。

ちなみに、映画『えんとつ町のプペル』の美術チーフの佐藤さんは、「ナメック星人は指が4本(両手で8本)なので、ナメック星は8進法だと思う」と言っていました。なるほど(*^^*)

ま、とにもかくにも、人間は『十進法』の方が何かと都合が良いのに、時計は「12時」まであります。
そういえば、一年も「12ヶ月」です。
1フィートは「12インチ」だし、、
1シリング(貨幣の単位)は「12ペンス」だし、
昔の1ポンドは「12オンス」だし、
1インチは「12個」の線に分けられるし、
1ダースが「12個」です。

何故か、日常のいたるところで、チョコチョコと『12進法』が採用されています。
「12」というメチャクチャ中途半端な数字で繰り上がっちゃうのです。
計算するのが面倒くさそうです。

なんで、12進法?

12進法が使われる理由はいくつかあります。
『12』が、「2.3.4.6で割りきれる数字」という都合の良さも、そのうちの一つです。
たとえば、ビザを12等分すると、一人で食べても、二人で食べても、三人で食べても、四人で食べても、6人で食べても、12人で食べても、皆と同じ分だけ食べることができます。

10等分だと、そうはいかないんですね。
んでもって、ピザを切り分けることを頭の中で想像して欲しいのですが、ピザを『10等分』するのって、メチャクチャ難しいです。
『12』は意外と便利な数字なんですね。
そして、本題はここから。

人間が昔から『12』を使ってきた一番の理由は、天体にあります。
1年が365日なのは、夜空の星が同じ場所に戻ってくるのが365日かかるからです。
んでもって、月の満ち欠けは30日周期。
365日を30日で割ると『12』。

そんなこんなで、1年は「12ヶ月」になったわけですね。
『12進法』は夜空に由来しているわけです。

ここで『えんとつ町のプペル』の話に戻る

わざわざ大量の煙を焚いて懸命に「空」の存在を隠そうとしたレターが、「12進法」を採用するでしょうか?
「時計の針って、なんで12までなの?」という疑問を持たれてしまうと、かなり都合が悪いです。

「12進法」は、「空」を隠そうとするレターにとってみれば、リスクでしかありません。
となってくると、レターは「12進法」を廃止すると思うんですね。
季節は巡るので、「1年=365日」は動かせない。
そこで彼は、365日を8等分して、一ヶ月を45日にして、一年を8ヶ月にしてしまう。

『8進法』ですね。
『8』は聖書の「復活」や「新世界の想像」を意味する数字です。
信じるか信じないかは、あなた次第。
当然、時計の目盛りは『8』まで。

こうなってきたら、『えんとつ町のプペル美術館』や『POUPELLE HOTEL』やスナック『Candy』や『天才万博』に置いてある時計は、一番上が『8』の変な時計にしてしまった方が面白いでしょうね(*^^*)

「なんで、えんとつ町の時計は『8時』までなの?」と疑問を持った子に対して、上のストーリーを語ってあげることができる。
たった時計盤一つに、物語を埋め込むわけです。
目に写るもの全てに意味と理由と物語を内包させて、厚みを生む。
ファンタジーは、こうやって作るんだよ(*^^*)
『天才万博』まで、あと2日。

以上、2018年12月24日(月)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

『12進法』の別の由来からヒントを得た。

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絵本3.0

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月23日(日)

こんにちは。
『えんとつ町のプペル』を無料公開した時は炎上したのに、『新世界』を無料公開した時は称賛されたキングコング西野です。
さて。

『絵本』と『音楽』のコラボの件について、今一度、整理しておきたいと思います。
あ。あれです、次回作『チックタック ~約束の時計台~』の主題歌を国民的アーティストに依頼した件です。

整理しよう!

アーティストさん(および事務所)が楽曲を発表する時に求めている結果は、
①曲の認知
②印税収入
の二つだと思います。
ここさえクリアしてしまえば、形は何でもよくて、べつに『CD』じゃなくてもいいわけです(知らねーけど)。

作詞作曲の印税は、それぞれ1.5%といったところでしょうか。大物はもっとかな?

曲が世間に広まって、それぐらいの印税がアーティストサイドに振り込まれれば万事オッケーなわけですから、『絵本』と『音楽』をコラボする場合は、絵本の主題歌PVをYouTubeにフル尺でアップして、そのPVに絵本のイラストを使って、絵本を買ってもらって、“絵本の印税の3%ほど”をアーティストさんにお渡しすればいいと西野は考えました。

アーティストサイドも絵本を宣伝した方が自分の取り分が増えるので、ウィンウィンちゃん。
アーティストサイドに印税をお渡しすると、当然、僕に入ってくる印税は減るのですが、僕はオンラインサロンや西野ブランドの宣伝として本を出版しているので、印税は要らないです。

僕のようなノベルティー作家の印税は、“その作品を売りたい人”を増やす為に使うのが正解だと思います。
ここまでは、なんとなく分かりますよね?

絵本3.0

クラウドファンディングで資金を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めて超分業制で作った『えんとつ町のプペル』が「絵本2.0」なら、印税の仕組みから整理して、絵本に音楽をのせた『チックタック ~約束の時計台~』は「絵本3.0」。

「曲を聴く→絵本購入」の流れもあれば、「絵本を読んだ→曲を聴く」の流れも作った方がいいと思うので、最後のページには『YouTube動画の案内』と『主題歌の歌詞』と『楽譜』を載せようと思っています。

『チックタック ~約束の時計台~』でコラボさせていただく大物アーティストさんが本当に大物アーティストさんなので、この前例(信用)さえ作ってしまえば、今後も、いろんなアーティストさんとコラボしていけると思います。
『チックタック ~約束の時計台~』の発売は2019年4月末を予定しています。
100万部を本気で狙いにいきます。

そこに向けて、「こんな仕掛け、面白いかもー」というアイデアがあったら、聞かせてください(*^^*)

以上、2018年12月23日(日)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

世界で最も使用されているであろう記数法は『十進法』。

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作品の結果を『数字』だけで見てはダメ!!

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月17日(月)

おはようございます。
よくよく考えてみたら、『コッドタン』や『アメトーーク!』に出させてもらった時は、「やめてくれ!」と「ごめんて!」の二つしか言っていない気がしているキングコング西野です。

昨日の『バーベキュー型エンターテイメント』の記事で、「バーベキュー型には、①『プロ+制作に参加するお客さん』と、②『プロ+制作に参加するお客さん+純度100%のお客さん』の二種類の空間がある」と書いたところ、サロンメンバーさんから「イベントを作る時は、事前に、『今回のイベントが①なのか?②なのか?』を全員で共有しておいた方がいいですね」とコメントがあり、なるほどなるほど。そりゃそうですね。

ちなみに、『サーカス!(世界で一番楽しい学校)』は②です。
さて。。

先日の『ニシノコンサル』の収録で、幻冬舎の箕輪さんと「このまま、釣り堀で釣りをするのか?」という話で盛り上がりました。
もちろん、『釣り堀』というのは喩えです。

僕は、たくさん本を出させてもらっていて、さすがに皆様もお察しかもしれませんが、ぶっちゃけて言うと、「あそこに、あの感じのモノで投げると、10万部ぐらいは売れる」という確かな手応えを感じています。

現在20万部を突破した『バカとつき合うな』(堀江貴文×西野亮廣)が売れることは見えていて、でもそれって、これまで自分達が開拓してきた層が買ってくれているわけで、そこで思うのは「たしかにヒットしたけど、これ…ボク、前に進んでる?」です。

ヒットさせることも超大事だけど…

ヒットを飛ばし続けていないと説得力が無くなるので、作品をヒットさせることはとても大切なのですが、すでに開拓した層に買ってもらう作品は、悪く言ってしまえば『ファングッズ』で、ファングッズのヒットは「前進」とは呼べません。
くれぐれも言っておきますが「『バカとつき合うな』は面白くない」という話ではありません。

「ターゲットをどこに絞っているか?」という話です。
『バカとつき合うな』は執筆前(厳密に言うとインタビュー前)に、編集のサイさんと、ライターの鮎川さんと何度も話し合って、堀江さんと僕がすでに押さえている層(+話題で買ってくれそうな層)をグラフ化して、そこをめがけて確実にヒットを狙いにいったので、釣り堀で釣りをしている感覚に近いです。

『新世界』は僕のオナニーで、新たなファン層を開拓してくれたのは『ほんやのポンチョ』だと思います。
新作を発表する時は事前にスタッフやサロンメンバーと「新作の目的」を共有しておいた方がいいかもしれません。
こんな感じです↓

①『バカとつき合うな』
【目的】とにかくヒットさせる。
②『新世界』
【目的】オナニーを見せて、「西野亮廣」という人に興味を持っていただく。
③『ほんやのポンチョ』
【目的】ファン層の新規開拓

①も②も③も重要なんだけど、どれか一つに偏ってはダメで、①と②と③を、バランスよく発表していくことが大切なのだと思います。
もちろん、①「ヒット」が、②「作者に興味を持ってもらう」や③「ファンの新規開拓」を兼ねている場合もあるのですが、必ずしもそうとは限りません。

たとえば、(以前もお話ししましたが)200万部を超えた『キミたちはどう生きるか』の作者の名前を言える人が、ほとんど存在しないように。

ヒットにかまけるな

大切なのは「ヒットのカラクリを知ること」で、いつでもヒットさせられる身体を手にいれたならば、①は2~3回に一度ぐらいにしておいて、覚悟をもって②や③に手を出していかなきゃいけないのだと思います。

ちなみに『えんとつ町のプペル』の後ということもあって、当初、『ほんやのポンチョ』の初版部数は「7万部」という話になっていましたが、『ほんやのポンチョ』は明らかに③の作品なので、初版部数を下げてもらいました。

作家が出版社に「初版部数を下げてください」とお願いするのは極めて希なケースだとは思いますが、「刷りすぎてしまった」となると、作家の信用に関わってくるので、そこは冷静に。

次回作の『チックタック ~約束の時計台~』は①と②の両方だし、例の大物アーティストさんとのコラボもあるので、初版10万部でもいいと思っています。

まとめ

・作品の結果を『数字』だけで見てはダメ
・その作品の『狙い』と『数字』の両方を見ましょう
・狙いが当たっている作家はスゲエ

以上、2018年12月17日(月)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

絵本3.0。

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バーベキュー型エンターテイメント

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月16日(日)

おはようございます。
マネージャーの須藤君から「西野さんお疲れ様です。吉本興業の方で予約をとってた『ほんやのポンチョ』のサイン本のことをすっかり忘れていました。本日、『ほんやのポンチョ』754冊にサインを入れていただけますか?」という爆弾をブチ込まれたキングコング西野です。754冊です。

さて。
今日は、『今、僕らがおかれている状況と、その向き合いかた』について、サロンメンバーの皆様と共有しておきたいです。

バーベキュー型エンターテイメント

プロが作ったモノを、お客様にお出しするモノを『高級レストラン型』として、
お客さんが、自身の食べたいものを作るモノを『バーベキュー型』としたならば、現代求められているのは、明らかに「バーベキュー型エンターテイメント」です。

『バーベキュー型』は、よく耳にする「インタラクティブ(参加型)」の更に進化系で、チームラボの作品を「インタラクティブ」とするのなら、チームラボの作品をお客さんが作っている状態が『バーベキュー型』ですね。
なんとなく、わかりますよね?

バーベキュー型エンターテイメントを生んだのは、まず間違いなくSNSで、「もっとも“ドヤれる”投稿は何か?」を突き詰めると、「昨日、サグラダファミリアを見に行った」よりも「昨日、サグラダファミリアを作った」になるわけですね。
「純度100%のお客さん」をやるよりも、「作品制作に参加したお客さん」の方が、お客さんとしての満足度が高いわけです。

ここまでお話しすると、「お金を払って働く」の説明がつくと思います。
(#さすがベストセラー作家)
面倒クセーので自分で言っちゃいますが、日本のエンタメ界だと「西野以前と西野以降」で大きく流れが変わって、僕より先輩に「お客さんがお金を払って働いています」と言うと、だいたい「搾取じゃん!」「宗教じゃん!」と返ってきます。

そういう時は、「たとえば、バーベキューは、お金を払って働いてませんか?」とお伝えすれば、「う、うん、でも、まぁ…」と失速していただけるのでオススメです。

そんなこんなで、今、僕らは『バーベキュー型エンターテイメント』の初日に立ち会っているわけですね。

『バーベキュー型エンターテイメント』の問題点

『バーベキュー型エンターテイメント』には、二つのパターンがあります。
それは、そこに参加している人の種類です。

【パターン①】
その空間にいる人=プロ+制作に参加するお客さん

【パターン②】
その空間にいる人=プロ+制作に参加するお客さん+純度100%のお客さん

パターン①の場合は、少々、肉を焦がしてしまっても、変なタイミングでヤキソバを投入しても問題ありません。
結局、食べるのは自分達なので、むしろ、多少のドジがエンタメとして機能します。
やっかいなのは、パターン②で、コチラには何の事情も知らない純度100%のお客さんが混じっているので、そこでのドジは面白がられません。

そして、パターン②で起こる事故のほとんどが、『内輪ノリ』です。
会議で自分達だけが盛り上がっちゃって、「純度100%のお客さん」の目線がゴッソリ抜け落ちて、結果、素人のオジサンが考案した謎の演出がブチ込まれたりします。もちろん、地獄です。

僕は、講演会を主催する権利をお渡しすることが少なくないのですが、以前、僕の講演前に「スタッフ(制作に参加しているお客さん)の誕生日のサプライズを、お客さんの前でやる」という大地獄演出が慣行されました。
もちろん、純粋に『西野亮廣講演会』を観に来た人からすると、「は? …これ、何を見させられてんの?」です。

そうなることぐらい考えたら分かりそうなものですが、イベント運営の当事者になると、どうやら、そこの他者目線が見事に抜け落ちてしまうそうなんです。
なので、バーベキュー型のエンターテイメントに携わる方は、「自分は盛り上がると他者目線が抜け落ちる人間だ」という前提で、エンタメに向き合われるといいかもしれません(*^^*)

それと、もう一つ!

素人イベントで、糞みたいなアイデアが採用されてしまう背景には、「スタッフ全員が、それを糞アイデアだと気づいていない」というのもあるかもしれませんが、一方で、「なんなか残念なアイデアだけど、でも、あのアイデアを出してくれた◯◯さんは今回メチャクチャ頑張ってくれたから、採用しとこう」という優しいリーダーの判断もあるかもしれません。

結論から言うと、それはリーダーの「優しさ」ではなくて、「逃げ」です。
頑張ってくれた◯◯さんのアイデアを切ってしまうと、自分がネガティブな印象を持たれてしまうから、それを避ける為に、糞アイデアを採用して、お客さんを殺すという最低な行為です。

『バーベキュー型エンターテイメント』のリーダーに立候補するのであれば、「断腸の思いで切り捨てなければならないこともある」ということは踏まえておかれた方がいいと思います。

『バーベキュー型エンターテイメント』は、「どこからどこまでを自分が担当するのか?」などなど、まだまだルールがフニャフニャです。
たくさん話し合って、そこから一緒に作っていきましょう(*^^*)

【追伸】
今日は14時45分から、なんばグランド花月(大阪)一階でプチサイン会がございます。
僕の書籍をご購入くださった方が対象です。
お時間あれば是非。

以上、2018年12月16日(日)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

作品の結果を『数字』だけで見てはダメ。

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『東京ディズニーランド』に学ぶ

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月15日(土)

おはようございます。

本編よりも、冒頭の挨拶に力を入れている自分がいることに気がついたキングコング西野です。
僕のオンラインサロンはROM専(ただただ、僕が投稿した記事を読むだけの人)大歓迎なので、今日も「へー!」とだけ思っていただいたら結構なのですが、さてさて今日は、『えんとつ町のプペル美術館』の話です。

厳密にいうと、「『えんとつ町のプペル美術館』を、どのようにして川西に馴染ませていくか?」について。

『東京ディズニーランド』に学ぶ

今年読んだ本の中で面白かったのが、『東京ディズニーランド』を作った男達の物語(タイトル、忘れた)で、そこには、テーマパークを作る上で、とってもとっても大切なことが書かれていて、それは、これから僕らが作ろうとしている『えんとつ町のプペル美術館』にも関わってくることなので、メンバーの皆様に共有しておきます。

『東京ディズニーランド』のオープンに向けて、職員の方がおこなったアクションで、僕が感銘を受けたのは、以下の二点です。

①地元の漁師さんとの呑み会
②閑散期にグランドオープン
順に御説明します。

①地元の漁師さんとの呑み会

『東京ディズニーランド』は埋め立て地に建てられるわけですが、そうなってくると、当然、地元の漁師さんの理解がないことには話が進まないんですね。

くわえて、京成電鉄(東京ディズニーランドを作った人達)は、『ディズニーランド』よりも前に作った「京成百貨店」の経営があまり上手くいってなくて、「百貨店も運営できないヤツが、テーマパークなんて作れるのかよ!」と…言ってしまえば、信用がなかったんですね。

「それでも信用してもらわないことには話が進まない」ということで彼らがとった手法が、なんと、地元・漁師さんとの呑み会。

漁師さん一人一人との呑み会を連日繰り返して、想いを語って、「もう、お前がやるなら応援する!」というところまで持っていったわけです。
(以前も少しお話ししましたが)実は、ロケットを飛ばしている堀江さんも、これと同じことをされていて…ロケットを飛ばす(最後は海に落とす)からには、漁をストップしてもらわないといけないんですね。

地元の漁師さんの協力(理解)なくして、ロケットは飛ばせないわけです。
そこで堀江さんがとった行動は、やはり地元の漁師さんとの呑み会で、そこで一人一人に想いを語り、「堀江君がやるなら応援する」まで持っていったのでした。
(※僕もその場に同席したことがあります)

『えんとつ町のプペル美術館』も、まったく同じで、行政が建てる美術館じゃなくて、「西野亮廣」という個人が建てるわけで、「大丈夫なの?」という不安を持たれる方もいらっしゃいます。
田舎町ですので、都会からやってきて何かをしでかそうとする人間に対して、アレルギーを持つ方もいらっしゃるでしょう。

ここを突破するには、『住民説明会』ではなくて(それもやるけど)、呑み会で、地元の方とたくさんたくさん対話を繰り返して、「地元に必要なモノ」と「地元に必要ではないモノ」をキチンとヒアリングして、「皆が必要とする美術館」を提案し、「キミたちがやるなら応援する」というところまで持っていかなければなりません。

今後、地元の方との呑み会の画像がブログやFacebookやInstagramで見る機械が増えると思いますが、そういうことだと思っていてください。

②閑散期にグランドオープン

『東京ディズニーランド』のオープン日が、また面白くて、たしか3月か4月(閑散期)オープンで、地方から家族連れで来れる『夏休み』(繁忙期)にド派手にオープンしていないんですね。

結構、シッポリとオープンしたんです。
(#「シッポリ」って何?)
勿論、これには狙いがあって、「まだまだオペレーションが安定していないオープン日と同時に、いきなり人がドドドっと来てしまうと、パニックになるので、人が少ない時に接客の練習をして、スタッフのがようやく慣れた頃に繁忙期を迎えよう」という見事な作戦。

では、『えんとつ町のプペル美術館』は、どんな感じでオープンするの?

駅前とはいえ、美術館の近くには民家がたくさんあります。
オープン初日に人がドドドと押し寄せて、慣れないスタッフがオロオロして、近隣住民の皆様に迷惑をかけてしまうことは容易に想像できます。

僕がどこかで「オープンしましたよ」とアナウンスすれば、何かしらのニュースになって、閑散期であろうが関係なく、たくさんの人が押し寄せる可能性もあります。
僕は、『えんとつ町のプペル美術館』を静かに、スロースタートさせる為の施策は『閑散期にオープン』ではないと考えています。

そこで今、考えているのは、『えんとつ町のプペル美術館』の最初は、前売りチケット制にしようかなぁと思っております。
それこそ仮オープン時期は「サロンメンバーしか入れない」にしてしまう。
オペレーションが安定するまで、強制的に人数制限(たとえば、1日100人まで)をおこなって、地域住民の皆様に徹底的に迷惑をかけない。

地元住民が最優先!
そこで、お客さんの流れをジックリ観察して、美術館に来た人がどんな動きをするのか、そのデータをとって、「ここから人数が倍になったら、どのような問題が起こりうるのか?」を予測し、先回りして、少しずつ少しずつ制限人数を増やしていこうかなぁと思っております。
どうかな?

以上、2018年12月15日(土)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

バーベキュー型エンターテイメント。

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BtoB時代は事務所がマウントをとれた!!

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月9日(日)

おはようございます。

吉本興業のレスポンスが遅かったので、「今日の昼までに返事を返さないと、今後の吉本関連の仕事は全て断ります」と会社に伝えてみた西野です。

メチャクチャ生々しい話をすると、僕らの作品で発生するお金は、なるべく吉本に入れたくて(いや、だって、僕、ここぐらいしか吉本に貢献できていないので!)、キチンと契約をしておこうと思ったんですね。

ところが待てども暮らせども契約書の返事がなくて、くわえて、「それ以外の仕事のレスポンスも遅い」ときた。

ぶっちゃけて言うと、僕の絵本は分業制で作っているので、たとえば今後は制作者を『西野亮廣エンタメ研究所(株式会社にしのあきひろ)』にして、「吉本興業のキングコング西野さん」にギャランティーをお支払いする形で絵本制作に参加してもらえれば、当然、吉本興業には1%の印税も発生しないし、キャラクターグッズの売り上げだって1円も入りません。

「そんな本を作ってしまって、吉本興業との関係を悪くしたくない」と出版社が言うのであれば、出版(流通)なんて無視して、Amazonプライムよろしく「オンラインサロン限定公開&限定販売」にしてしまえばいい。

そうして、今後の制作物に関する関係を完全に断つことは可能なのですが、僕はそれを望みません。僕には、日頃お世話になっている吉本社員がたくさんいるので、できるだけ二人三脚でやっていきたいと思っています。

ただ、とくに僕らなんかは(スピードが武器の)ベンチャーなので、「レスポンスが遅い」は話にならなくて、いつ返ってくるかもわからない吉本の返事を待つ為に人件費(スタッフさんのギャラ)を支払っているわけではないので、「今日の昼までに答えを出してください」発言に繋がります。

BtoB時代は事務所がマウントをとれた

僕のアクションに対して、いちいち事務所に確認をとって…確認をとること時代は全然オッケーなのですが、「確認待ち」が1週間も続くのなら、僕にとっては事務所に所属していることがデメリットしかありません。

普通に僕は

「あ。じゃあ、いいです。他でやります」となります。

「吉本からの仕事を全部無くすよ」

と言われても、

「もちろん、オッケーです」

と。

昔は、吉本興業の主な取引先が企業(テレビ局や広告主)で、その取引先と芸人の間に(電通のように)吉本興業が入っていたから、事務所は所属タレントに対して「仕事を与えるor与えない」でマウントをとれたのですが、僕みたいに取引先を完全に「お客さん」に絞っている『BtoC芸人』に対しては、そのやり方はまったく通用しなくて、そういったBtoC芸人の取り扱い説明書が、今現在、吉本興業およびタレント事務所には無いのだと思います。

なので、BtoB芸人を扱うノリで、BtoC芸人と付き合ってしまって、そこでハレーションが起きる。もう、吉本社員全員が忘れないように僕のおでこに『BtoC』という刺青を入れてやろうかしら。

朝方、むちゃくちゃキレて、会社に怒鳴り込みに行こうと思ったのですが、友達から止められて、頑張って我慢したので、その分、オンラインサロンメンバーの皆様に八つ当たりしています。

今後、確実に増えるハレーション

このサロンには芸能事務所の方も、テレビ局の方もたくさんいらっしゃるので、僭越ながらアドバイスさせていただくと、扱っているタレントが「広告収入で生きているタレント」か、「ダイレクト課金で生きているタレント」か……だけはキチンと区別しておいた方がいいと思います。

後者の場合だと、そのタレントがあなたと仕事をしている理由は「あなたの人間性」ぐらいしかないので、広告収入で生きているタレントを扱うノリで雑なマウントを決めにかかると、一気に、寝首を掻かれます。

いつぞやの、読売テレビの『すまたん』という情報番組のアホディレクターがクダラナイ質問を繰り返して来たときに、僕が収録中に帰ったような。

自分の人生において、読売テレビの『すまたん』に出られなくなっても、何の問題もないので。

「マウントをとりたい人は、マウントをとれる相手を見極めなきゃダメだ」という話っす。

 

吉本興業初のクラウドファンディグ「シルクハット」で立ち上げた『えんとつ町のプペル美術館をつくりたい!』は、支援総額6256万1500円でフィニッシュ。

このうち、手数料15%を吉本興業に入れます。

このまま気持ち良くやらせてくれるのなら、吉本興業を勝たせます。

絶対に勝たせる。

以上、2018年12月9日(日)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

『東京ディズニーランド』に学ぶ。

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『絵本』と『音楽』のコラボの正解は?

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年12月9日(日)

おはようございます。
「28日の忘年会のオープニングアクトとして須藤マネージャーが歌う曲が『壊れかけのレディオ』に決定しました」という誰得インフォメーションをお届けしましたキングコング西野です。
さて。

今日は、現在、水面下で進めている大型案件について、「今、こんな感じでーす」をサロンメンバーの皆様に共有しておきたいと思います。
次回作『チックタック ~約束の時計台~』についてです。(※三日前に新作が出たばかりなのに、もう次回作の話をしている凄まじい西野氏。さすが革命家)
薄々お気づきかとは思いますが、次回作『チックタック ~約束の時計台~』は問答無用で西野のフルスロットルです。

「読み聞かせできるように作りましたよ~」とか言いません。
「これが面白くなかったら引退してやる!」というレベルの作品です。
その『チックタック ~約束の時計台~』ですが、実は国民的アーティストとのコラボの話が水面下で進んでいます。(※まだ本決まりじゃないよ。トップシークレットね)
想像してください。あの人です。

日本のトップアーティストの名前を3つほど挙げたら、確実に入ってきます。  
『チックタック ~約束の時計台~』のテーマソングを作っていただくわけですが、ここから先が皆さんに相談です。

『絵本』と『音楽』のコラボの正解は?

やり方はいろいろあると思います。

①絵本とCDの発売日を合わせる
②発売日はズラすけど、同タイトルにする
③絵本の中にCDを入れる
④CDの中に絵本を入れる

…100万部(枚)を狙うなら、③だと思います。 
世間的には、「CD」よりも、まだ「書籍」の方が身近にあるので。
ただ、本の中にCDを入れることは可能でも、所属事務所の違い、およびら取り扱っている作品(絵本とCD)の違いがあるので、印税契約ウンヌンカンヌンが難しそうです。
ちなみに、『バカとつき合うな』で、堀江さんと僕が提供したのは、どちらも「文章」なので、所属事務所が違おうが、「取り分は半分半分」でソッコーまとまりました。

ちなみに、本人同士は別に印税なんてどうでもよかったりするので「わかりやすく、半分半分でいいじゃん!」となるのですが、そうは言ってられないのが事務所です。
そこで前例を作ってしまうと、その後も、ずっとそうなるので。

ちなみに。
書籍の場合、作家に入る印税の相場は10%だったりするのですが、それは「書籍」の場合で、「ん?CDが含まれている場合はどうなるの?」問題があります。
つまり、これは、作家とアーティスト、それぞれの所属事務所が話し合えば済む問題ではなくて、そこに出版社も絡んできます。

つまりつまり、「吉本興業」×「幻冬舎」×「アーティストさんの事務所」という三つ巴戦。
ここでウルトラCを決めないと話が進まないわけですが、たぶんメチャクチャ難しいです。

無名の新人ならまだしも、お互いそこそこ売れっ子なので、大人の人達は簡単には「どうぞどうぞ」とは言わないと思います。
でも、だから、やった方が面白いじゃないですか?
なので、やります!

「皆さんに相談です」とか言いつつ、一ミリも相談せずに結論を出してしまったことについては陳謝します。
とりいそぎ、「今、こんなことになってますよー」という御報告でした。

【追伸】
『ほんやのポンチョ』のAmazonレビューを書いていただけると嬉しいです。
書いてくださった方はコメント欄までご一報ください。
ヒヨコのようになついてみせます!

以上、2018年12月9日(日)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

BtoB時代は事務所がマウントをとれた。

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