単独ライブ×クラウドファンディング

[1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事]

こんにちは、財前です。
今回も、西野亮廣さんが過去にサロン内で公開された記事を載せたいと思います。

オンラインサロン 投稿日2018年10月11日(木)

いつもお世話になっております。
性欲の塊・西野です。
まずは、本日スタートする『シルクハット』の開発&テストに御協力いただき本当にありがとうございます。
皆様が意見をくださったおかげでラスト数日の仕上がるスピードが半端なかったです。
とはいえ、生まれたてのサービスなので、いろいろと御不便をおかけすることになるかと思いますが、どうかこのハンサムに免じて御容赦ください。
改善点が見つかり次第、猛スピードで改善していきます。
たぶん、今日の僕は、丸一日パソコン画面に張り付いていると思います。
ナンジャカンジャの調整に追われて、自分の企画のリターンを設定し始めたのが今朝の3時過ぎ。
リターンの法務チェックもしなきゃいけないし、まだ誰も知らない生まれたてホヤホヤのクラウドファンディングのプラットフォームとはいえ僕の企画だと、リターンの対応もそこそこの仕事量になるから、オペレーション(面倒なやりとりが生まれないようにすること)を見越してリターンの内容を決めていかなきゃいけないので、スッタモンダがありまして、つい、30分までまでゴチャゴチャやってました。
サイトの調整と自分の企画の準備を同時進行でやるのは、なかなかハードですが、今回の「吉本興業がクラウドファンディングのプラットフォームを持つ」は世間的にはワーキャー言われるようなものではありませんが(世間は、吉本興業がダイレクト課金のプラットフォームを持つ意味をほとんど理解できていない)、個人的には芸能史に残る大きな大きな一歩だと思っています。

吉本興業がずーっと抱えていた単独ライブのグッズ問題

芸人が単独ライブをする時は、やっぱり『ライブグッズ』なるものを張り切って作るんですね。
ライブタオルだとか、ライブTシャツだとか。
芸人に限らずですが、ライブの収益って、チケット代より、そっちの方が大きかったりするので、皆、エンタメで生きていく為にグッズに力を入れるんです。
ただ、そこの売り上げが大きいのは事務所は一番知っているから、事務所はグッズの売り上げをゴッソリ持っていっちゃって、芸人に入るのは雀の涙ほど。
僕は守らなきゃいけないスタッフや、そのスタッフの家族や、そして自分の夢があるので、25歳の頃からそこにはキチンとメスを入れていて、それこそライブのDVDなんかは、まずは自分でお金を出して、自分で工場に電話して、自分達で販売していたんです。
(※ニューヨークの単独ライブはDVDの売り上げで開催したよ。
でも、それって、「納得がいかないなら、いつでも吉本を辞めますよ」と言えた僕だから突破できた問題で、やっぱり、若手芸人が事務所を無視してアクションを起こすのはなかなか難しいと思います。
事実、事務所にはメチャクチャお世話になっているので。
で、雀の涙ほどしか売り上げが入ってこないグッズに皆が愛想を尽かして、ほとんどの芸人のグッズを売るモチーベーションが下がってしまって、結局、単独ライブのグッズの売り上げが下がって、事務所に入るグッズの売り上げも下がるという悪循環。
このまま僕だけがイケシャアシャアと活動していくことは簡単だけど、そんなのは全然面白くないし、カッコ良くないので、やっぱり、この「単独ライブのグッズ問題」は解決しなきゃいけない。
たったの「システムの改善」で救ってやれる若手芸人がいるのなら、救ってやるべきで。

単独ライブ×クラウドファンディング

そこでね、吉本興業でクラウドファンディングのプラットフォームを作って、その中で「『単独ライブの制作費を集めたい』という名目で若手芸人が企画を立ち上げて、そのリターンで『グッズ』を出せばいいんじゃないかなぁ」てなことを考えたのです。
そうすると、グッズの需要(おおよそのロット数)が分かって無駄な予算を削減できるし、グッズ(リターン)が売れれば売れるほど、若手芸人の生活はラクになるから、若手芸人はグッズの宣伝を頑張る。
若手芸人がグッズの宣伝を頑張れば頑張るほど、吉本興業に入る手数料も増えるので、吉本興業もありがたい。
大切なのはモチーベーションが上がる仕組みにしてあげること。
そんな想いもあって『シルクハット』というサービスを立ち上げてみました。
そうこう言っていたら、『シルクハット』がスタートしちゃってました。
応援、宜しくお願い致します。
『えんとつ町のプペル美術館を作りたい』

以上、2018年10月11日(木)に西野亮廣エンタメ研究所で投稿された記事でした。

次回予告

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